業界最高効率、3.3Vinで最大10A出力可能なDC-DCコンバーターICを商品化~1.2mm以下の低背アプリケーションに最適~

  • 電源

2023/01/20

株式会社村田製作所(以下、「当社」)は、1.2mm以下の低背アプリケーション向けに、3.3Vinで最大10A出力可能な業界最高効率のDC-DCコンバータIC「FlexiBKTMシリーズ(PE24108、以下「当製品」)」を開発しました。すでに量産を開始しています。

近年通信インフラ市場では、ASIC/DSPの消費電流が増加し続ける一方で、コア電圧は低下傾向にあります。そのため、従来方式のDC-DCコンバータではデューティーサイクル※1が狭くなることで、変換効率の低下が著しく、入出力電位差に依存せず、高変換効率が実現できるDC-DCコンバータが求められています。
そこで当社は、独自のチャージポンプ技術※2と従来のDC-DCコンバータ回路を融合させた、革新的な回路方式の2ステージアーキテクチャにより、3.3V入力から0.5V出力の電圧変換において、ピーク効率88%、最大10Aの出力電流が可能な当製品を開発しました。
当社の革新的な2ステージアーキテクチャは、コンデンサベースの実質無損失のチャージポンプ回路が入力電圧を分割することで、デューティーサイクルの問題を解消します。さらに、この出力段に接続されるDC-DCコンバータ回路は、低耐圧FETならび薄型チップインダクタ、小型フィルター部品で構成されます。これにより、システムボード裏面への実装が可能になり、さらに低背であるにも関わらず、高効率の電圧変換を実現します。また、インターリーブ方式※3の採用により、高速伝送アプリケーションで求められる、低い入力、出力リップル※4、およびEMIノイズ特性を提供します。

  • ※1デューティーサイクル: オン時間と全サイクル時間との比のこと。DC-DCコンバータの場合、入力電圧と出力電圧の比で決まる。
  • ※2チャージポンプ技術: コンデンサと半導体スイッチで構成される電圧変換回路。
  • ※3インターリーブ方式: 並列に配置された同一回路網を、重複することなく順に動作させる回路方式。
  • ※4出力リップル: 直流電圧に重畳される交流電圧成分。

パワーモジュール事業部 ローパワープロダクツ商品部 部長 三上修司は「データ通信の指数関数的な成長は、400Gおよび800G光トランシーバモジュールに代表される、通信インフラ機器の電力密度の限界を押し上げています。低背かつ高効率を提供する当製品のソリューションでは、DC-DCコンバータをメインDSP/ASICコア直下のシステムボード裏面に実装することで、プリント基板上の銅損損失とノイズピックアップを削減できます。」と述べています。

当製品の特長

  • 最大10Aの出力電流をピーク効率88%で提供。 ※3.3V入力、0.5V出力の条件にて
  • インターリーブ方式採用による、非常に低い入力および出力リップルノイズ特性
  • 外部DACを介したアダプティブ電圧スケーリング(AVS)機能
  • 外部クロックとの周波数同期機能によるビートノイズ防止およびEMI低減
  • 最大4デバイスまで並列運転が可能
  • FETスイッチ内蔵

主な仕様

左右にスワイプ可能です 横持ちでご覧ください
入力電圧範囲 3.0V~3.6V
出力電圧範囲 0.37V~1.0V
負荷電流 1デバイスあたり10A
ジャンクション温度 -40~125℃
保護回路 低電圧誤動作防止、過電流保護、過熱保護
その他 並列運転、周波数同期、アダプティブ電圧スケーリング(AVS)機能

パッケージング

4.0 × 3.2 mmのQFNパッケージ

主な用途

高密度実装が求められる光トランシーバモジュール、ネットワークインターフェイスカード、メモリカードなど

サンプル

すでにサンプル提供を開始しています。
評価キットおよび量産オーダーについては、各地域の販売担当者にお問い合わせください。

製品サイト

製品詳細は、こちらをご覧ください。

関連サイト

オンデマンドウェビナーでも当社チャージポンプ技術に関する詳細技術について紹介しています。
How Murata is Changing the Power Density Paradigm – Part.1(英語ページに遷移します)
How Murata is Changing the Power Density Paradigm – Part.2(英語ページに遷移します)

ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
詳細はこちらのページをご覧ください。www.murata.com/ja-jp

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